ストロング山下:どうも、今回お話を伺わせていただく方は、漫画家の架空まさるさんです! そして、最強助っ人、日本で一番最初に架空まさるに注目した奴、Clashです!
架空まさる:よろしくお願いします!
Clash:よろしくです!
Clashさんのホームページ(DELETE MYSELF!)、山下さんに教えてもらって見てみたら、なんか見たことあるなあって・・・でお気に入り見たらすでに入ってたという(笑)
ありがとうございます(笑)
架空さんもホームページ立ち上げるんですよね?
そうなんです。架空まさる TOBITAI!っていう。
まずですね、プロフィールなんかからお聞きしたいんですが。別に謎の人キャラじゃないんですよね(笑)
ええ、もう、全然(笑)
では生年月日からお願いします。
昭和37年1月28日生まれ・・・。
あっ、じゃ、ちょうど私と1年違いだ!私は昭和36年1月29日なんですよ。
29っ!あらら近い(笑)
水瓶座はアーティストなんよ〜(笑)
血液型も一緒だとアレじゃないすか。
血液型はAなんです。
私はOなんですよ。出身はどちらで?
田舎が高知でね。
あ、高知なんですか。
ま、子供の頃から漫画描いてたんですけどね。
はい。
で描いてて、高校ぐらいからぼちぼち考え出して・・・。たまたまね、高校の近所に青柳(裕介)さんのお弟子さんが、上京してて戻って来てて、その、連載始めたんですよ。
へえ。
それをどっかから嗅ぎ付けて、ちょっと行ってみようって、それで、結局卒業後そこに行くことにして。青柳さんのお弟子さんの はくしょみのる さんっていう人のところに。
はいはい、知ってます。
おおっ、知ってます?はくしょさん。
漫画みたことありますよ。
ああ、そうですか!なんだ、知ってると思わなかった。
はくしょみのるさんって、青柳さんの・・・。
弟子なの。
ああ、そうなんすか〜。
ええ、お弟子さんで・・・そこに一年ぐらいいて、そのときにはじめて青柳さんにもお会いすることができて。
はい。
まあ、青柳さんの孫弟子ってかたちで。
じゃあ、滑り出しとしてはわりとスムーズに行ったですねえ。
ええ、スムーズにね、何の問題もなく。
恵まれてますなあ(笑)
そうですね(笑)高校卒業後どうしようかなあって思ってた時期に、ちょうどそういう人に出会えて・・・ああ、もう、入っちゃえって。
なるほど(笑)
そうそう。
ま、力もあったんだろうけど。
いやいや。
高校の時に作った同人誌とかもね、あればいいけどな。
高校時代、同人とかやってらしたんですか?
あのう、漫画クラブ・・・。
あ、漫画クラブ。
うん、漫画クラブで、印刷出して・・・本作ったんですよ。
へえ。
それで、投稿とか別にしたんですか?
投稿は、初めてしたのが・・・まあ、中3か高1の時に、月刊ジャンプに。はじめて投稿して、それは、もう、最終候補で。
そうなんすか!
すごいなあ。
そう、最終候補でね・・・あのう・・・チラっと名前が出たぐらいで。それでも、すごくうれしかったですよね。
そうですよね。雑誌に載るんですもんね。
ええ、はじめて載るんでね。あとその後が、高校3年・・・卒業したばっかりの時かな、赤塚賞に出して、それが佳作に入って。
あらっ。じゃあ載ったんですね、漫画。
そうですね。ゴソゴソ(本棚を漁る)・・・これがデビュー作ですね。
じゃ、俺見てるな、たぶん当時。
そうでしょうね。
うん。
これがねデビュー作なんですよ。ほら。
はっは〜。
おっ、すごい!ほんとだ。あ、ずっとお名前一緒なんですね?
ええ、そうなんですよ。高校3年のときから。
80年の31号・・・clash覚えといて(笑)
ウヒヒヒ見つけて買うんですね(笑)
今ねえ、架空まさるで検索すると、この辺のジャンプが、特集・・・誰かやってて。
あ、そうなんですか。
検索すると0点魔人とか出てきてビックリしたんですけど。この号に載ってるメンバー全員の名前が出てたりとか。
へえ。
なんか、誰かがそういうのやってましたよ。
あ、でもジャンプのファンって多いからそういうの多いかもしんないですね。
この頃ははねえ、吾妻ひでおの影響受けてて・・・。
あ、そうですね。あっ懐かしい・・・パイレーツだよ。
懐かしいっすね。
これがその時に、パーティの時にもらったサインで。
うわっ!スゴ!
うん、これはまあ、自慢の品ですけど(笑)
むむう・・・。
この人は、一緒に賞もらった人なんですけど。
へえ・・・あっ!
うふふ、豪(永井豪)ちゃん。
出ましたねえ。豪ちゃんのヒゲゴジラいいっすね。
僕、できれば女の子描いてほしかったんですけど(笑)
あははは。
サインくださいって言ったらパパパーっと、サッサと描かれて。
すごいな・・・。
諸星(大二郎)先生。
ぐぐ。
江口(寿史)さん。
うへへ(笑)
アラレちゃん。もう、紙の色が変色してて(笑)
すごいですね。
このまえ、スキャンして、取り込んで(笑)
パウチとかした方がいいかもしんないですね。
前からね、しようしようと思ってて。
ふがっ!
楳図かずおさん。
うーむ。
まことちゃんだ(笑)
これが石坂啓さんかな。
そうですね。
これはもう、だいぶ後に行ったパーティでもらって。これは谷岡ヤスジさん(笑)
これは・・・貴重じゃないすか?ある意味一番貴重かもしんない(笑)
もう一枚どこかに、ヤスジって書いたサインもあったんですけど、どっかいっちゃいましたね。ヤスジさんにアソコを描いたの…描いてくださいって言って、モロに描いてくれると思ったら・・・。
微妙なところで・・・(笑)
それはさすがにプロだなあと思って(笑)
かわしが…。
あ、でも、これ山をカラダに変えただけですね・・・よく背景に描かれる山(笑)
あああ、そうですね(笑)
あ、そっか、あの山。
そうです(笑)
僕けっこう好きなんで、あのう・・・花っぺとか描いてほしかったんですけどね。
ま、そのときに青柳さんと知合って、かなり、なんていうのかな・・・道が開けてきた・・・漫画家ってこういうもんなんだなあってね。
ああ、なるほど。
いろいろ面白かったですねえ。
で、上京したんですか?
上京したのは僕が19で、はくしょさんのところに1年いて、そのあとやめちゃって、普通のバイト・・・魚屋とか、スナックでバイトしたり、半年かちょいぐらい。その後上京することになって。
はい。
それで、19の頃に上京して、結局ビッグ(錠)先生のところに・・・。
ほう。
赤塚賞とったときの、担当の編集に誰か紹介してくださいって言ったら、今ビッグさんが募集してるよってことで。それで、もう弟子形式でしたね。住まいながらやって。少年誌向きに原稿とか描いて持ち込みとかしてはボツで。
ああ〜。
うん、そういうことやってて。それで、ビッグ先生とこの一番弟子の人が近所に住んでたんですよ。沢渡竜也さんって人なんですけど。
ああ、はいはい、ジョイコミックス見たことあります。
そうですね。知ってます。
この人のアドバイスで、そうやって持ち込みするのもいいけど、どうせ持ち込みするんだったら、エロ漫画・・・載りやすいんで・・・エロ漫画に持ってって、勉強しながら金もらえばって。
あ、なるほどね。
で、はじめたのがエロ漫画。
いきさつっておもしろいですね。あのワールドコミックス(久保書店)のが最初なんですか?
ええ、最初ですね。

これが伝説の単行本だ!
あれずっと、連載で載ってたんですか?
えーと、ときどきですね。
あ、そうですか。
ええ、漫画ハンターにときどき持っていっては、載せてくれて。それで、その後、沢渡さんの紹介で・・・なんだっけなあ・・・蘭出版っていうところから出してる、エロ雑誌があって、そこで連載したり、そこでやったりしたのを・・・あ、その後もう一冊、もう名前忘れちゃったなあ・・・なんとかっていう雑誌で連載してたのを集めて、久保さんとこに持ってって出してくれませんかって言ったら、出しましょうってことで。それがはじめてなんです。
へええ。久保書店から2冊。
そうですね。
あと、何冊か出てるって・・・。
あと・・・これですね(本を出してくれる)
あそうだ、若貴。
あ、僕これ、全部持ってます(笑)
さすがだ(笑)
若貴は僕、ちょっとビックリしましたけどね(笑)
これは、青柳さんとビッグ先生の元担当で、少年キングの編集長やってた方がいて、その人が、独立して会社はじめて・・・そこから依頼があって、やってみないかということで。
ほう。
相撲は、ほとんど知らなかったのに勉強しいしい。
なるほど。
ま、とりあえず、ビッグ先生のところに10年いて、3年間住み込みで、7年が通いでやって。そしてやめたと同時に、青柳さんのお弟子さんの、井上紀良さんのとこに行きはじめて。それが8年間ぐらいかな。
へえ、そうなんですか。
そういう経過をたどってね。
ビッグ先生の作品だと、どのあたりで参加してるんですか?
ビッグ先生は、そうですね・・・一本包丁万太郎は最初からで、どくろ坊主は4巻か5巻とかその辺ぐらいですかね。
そうですか。
味平はもう、とうに終わってて。
はい。
そうすね、まあ、ビッグ先生とこ行きはじめて、おもしろい話ってのか、感じたのがね…最初はもう、見てても・・・原画に対してね、どうこう思わなかったんですけど、そのうちに、ああ、先生のペンってすごいなあと思いだして。ビッグ先生のペン画は生きてるなあって。ほんとに。いまだにそういう線は描けないんですけど、僕なんか。そういうのすごく感じて。他の人の原稿とか見るけど、そこまで生きてる人のはなかなか少ないなあっていう…。
なるほど。
まあ、大したアレじゃないですけど、ビッグ先生のとこから、あのう、貰ってきたというか、パクってきた(笑)…机の引き出しに昔のが入ってるんですよ。パクってきてあとで・・・先生に断りましたけどね。あ、すいません、実はパクってきましたってね(笑)
じゃあ、これはビッグ先生の・・・。
ラフです。味平の。味平のボツ画っていうか。こんなの僕がいる時代じゃないのに(笑)机の中にあって。
へえ(笑)
これ塾師べんちゃん…ていう漫画あるんですけど。
はい知ってます。
このへんのフキダシとか描き文字とか僕がやってたんですよ。
あっそうなんすか〜。
効果線とか。
へええ。
DATゾイドさんなんかね「架空さんの人物がありますよね」とか(笑)照れくさかったですけどね。
ほんと、大量にある。
結局ビッグ先生のとこでは、僕は背景描けなくて、ちょっと悪いことしたんですけど、先生の絵ってもう、イメージでラフで下書きするんですよ、背景の。それに合わせて、自分で写真とか書庫から探してきて描くんですけど、なんかその作業が僕、どうしてもできなくて。もともと、青柳さん系できてる、はくしょみのるさんのとこにいて、そこもそうだし、井上さんとこもそうなんですけど、青柳さん系は、写真をまず出してきて、これを見て描いてくれとか、いちいち持ってきてくれるんですよ。
指示が写真と一緒にあるんですね。
そう。ところがビッグ先生のところは、自由に描くってかたちなんで。ちょっとそれに馴染めなくて。
はい。
これなんすかね?
コミックスの自己紹介のカットかな。ちとわかんないですけど。線がね、ものすごいキレイなんですよね。生きてるんですよ。よくこんな線出すなあって。ふーむ。
井上さんとこで、学んだおもしろいことというか、良かったことは、なんていうのかな・・・漫画描くときに、いいかげんさ・・・が無いと、やっぱ・・・いろんなもの描くわけじゃないすか?
はい。
ある程度いいかげんさがないと描けないなあということで、ごまかし方を…学んだっていう(笑)井上さんの漫画なんか全世界の風景が出たりするんですけど、ああゆうの、写真限られてるわけだし。
そうですよね。
やっぱ、ある程度いいかげんさがないと描けない。(ビッグ先生のコピーを見て)これは、実際使われたのか知らないですけど、僕が聞いた話では・・・ユニコーンのアルバム・ジャケットに使うとかって聞いたんですけど。
そうなんですか。
結局企画は通ったのかどうかはわからないすけど。それのコピーですね。
ほう。
まあ、外国の漫画とかでも、しっかり資料集めてやっておられる方もいますけどね、なかなかそこまでできないんでね。
そうですね。
これはプレイボーイのカット用ですね。ディズニーランドに初めて行ったときのルポみたいな。
ああ、それっぽいですね。
へええ、やっぱうまいなあ(笑) 原画みると、よくわかるよねえ。
そうですね。
印刷物だとあんまりピンとこないんだけど。
あとまあ、エロ漫画に関して言うと、昔この「やめてったらやめないで」「いくいく」の頃は、描いてて楽しかったですよね。
といいますと。
うん、やりたいほうだい描かせてもらえたんで。
ああ、特に指示とかはなかったんですね。
特に無かったですねえ。とりあえずエロシーンさえ入ってれば、何描いてもオッケー。
あああ、なるほど。
うん、こういうのはオッケー、こういうのはダメとかってのは無かったもんで、このときは。たまたまなのかもしれないけど。僕が行った雑誌では。だから、もうやりたい放題やれたんで、すごい、自分の個性が前面に出て良かったのかもしれないですね。
そうですね。
でも。これはちょっと衝撃的でしたよ、読んだときに。
そうですか?
あのう、なんつうんですかね、なんと表現していいのかわからないぐらい…。
あっこれですか?
そうですそうです、この2冊(「やめてったらやめないで」「いくいく」)。
絵とか、まあ、ヘタですけどね。
ていうか、なんか、あのう、すごい少年漫画のような絵じゃないですか?
そうです。
線が太くて…。
うんうん。
で、なんていうのかな…ロリコン漫画と全然違うじゃないですか、それがまた。
そうですね。
微妙に…カタチ的にはそういうカタチかもしんないけど。読んだ印象とか全然違うじゃないですか、そういうものと。
ああ。
だから、なんて表現していいのかわからないんですよ(笑) これはスゴイとか思って。
そうそう。そんで薦められて…古本屋へ直行(笑)
かなり、沢渡竜也さんの影響は受けてるんですけど…、話の作り方とか。
そうなんですか。
それに、あと、自分のオリジナルの変な部分が…かなり要素が入ってるという。
全部、お伽話系じゃないですか?
そうですね。
すごい…おもしろいですよ。これすごい好きですよ。
今でも、まあ、そこそこの原稿料で描かしてくれるんなら、描きたいですけどね、この世界を(笑)
ええ。けっこう、載せたら要望ありそうだよね。
そうですね。
どうなんでしょうね。コミック男爵ってところで、連載させてもらったんですけど、その頃は、最初のうちは、この流れみたいなものを描いたんですけど、やっぱりね、読者に嫌われて…。
ああ、そうなんですか…当時だからかな。
もあるかもわかんないし…あと、好きな人も限られてるみたいで。ま、選んだ雑誌が悪かったのか、美少女系コミックだったから。もうちょっとね、違う普通の劇画雑誌だったらよかったかもしれないけど・・・美少女コミックはやっぱりね、うるさいじゃないですか、読者の好みが。“やめてったら・・・”みたいのは、はいくら描いても楽しいというか、いくらでも出てきて。
はじめ、これ見たとき、ダイナミック・プロ出身の人なのかなあとか思ったんですよ(笑)
なるほど。
ええ。あと、おんなじような感じの人で、六波羅芳一っていう…。
いますね。1冊だけコミックス持ってますよ。 そうですね、近い世界なのかもしれないですね。
はい。
久保さんところが、ちょくちょくヘンなコミックス出してるんで。僕もたまに買うんですけど。あと、たまたま人のツテで知合った人で、Moo.念平さんって…。
はい知ってます。
あの方も、僕の漫画を全部持ってくれてるってことで。
あ、そうですか(笑)
お会いしたときに、すごいうれしかったですけどね。うん、やっぱり少年漫画っぽい絵で通じるところがあるのか・・・。
はいはい。
そうですね。この線の太さが良いんですよね。
僕もね、太い線のが好きなんですよ。こう、漫画っぽくて。
そうですよね。
細い線で描くと、こう、イラストっぽくなっちゃって。
そうですね。いわゆる、"線"が出ないじゃないですか、細すぎると。なんかねえ、人それぞれの線が。
うんうん。味・・味がね。
奇しくもセブンスターなんだ。
あ、ほんとだ(笑)
(笑)
こういうのを・・・アレなんですけど(壁に貼ってあるキャラ絵を指す)、あれの原形。これをねえ、ま、連載させてくれるってことで、よろこんだんですけど…。
SF…。
そうですね、なんか変な。あのう、読者さんに嫌われてしまって…3回で終わり。かなりね、後半とかね、すごい…。
いっちゃってる世界…おおお!
まあ、こういう、結局星産みの話になったりして。描けてうれしかったんですけどね。
あれだな、場さえあればすごいの描きそうなのにねえ。
描きたいですね。もう、なんでも描かせてくれるんだったら喜んで。
やっぱ、ちょっと今のシステムがねえ。
そうですね…しょうがないですね。売れないとアレだから。
けっこう画一化が進み過ぎて・・・。