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「見てみたい」という衝動を押さえるのは非常に難しい。高価なプレミア本なら放ってもおけるが、300円前後のいわゆる通常価格のものならば、まず、買ってしまうものだ。
世間あるいは友人知人間で話題になっているとか、その本からの波動と周波数が一致してしまったとか、調査研究のための資料になりそうだとかが主な理由であろう。
何千何万冊の古漫画が並んでいる古本屋。その古本屋を多数、多回数訪れる重度の探求者でさえ、行く店々で見たこともないような本に遭遇することがある。初めて見る本だからといって、全てが欲しくなるわけではないのだが、これが年代的に古いものだと、いいようのない風情・たたずまいがあり、その様子の良さについ手をのばしてしまう。
こういう様子の良さに惹かれて入手する行為は、探求者の心理の根源的な部分での喜びと直結しているところであり「ああ、今日はいいモン見っけたなぁ〜」というセリフが口をついて出てくるものだ。ものケースではもはや本の内容は関係ない。物としての本の魅力が全てなのである。

“様子の良さ”に惹かれるのとは別に、そのたたずまいからなんだか中身が気になるという本がある。
装丁やカバー絵、またはタイトルから、波動がビンビンに伝わってくるケースである。たとえばカバー絵が、ケン月影のすばらしく気合の入った看板絵柄系お姫様が悩ましげなポーズをとっておるにも関わらずタイトルがゴシックフォントで「最新量子論 物理学の行く末」となっていたら、「?」となり、たまらなく内容が気にならないだろうか?(私は気になる)・・・はたまた花とゆめコミックスの山岸凉子物なのに「愛してる!あなたのさぶイボ」なんてものがあったらどうだろうか?(大いに気になる)・・・さらにダーティ・松本の「数学 2B」(教科書!)とか・・・。
まあ、極端なたとえで申し訳ないのだが、こういったレーベル、作家、タイトルの組み合わせの妙を楽しむということもありえるものだ。もちろん、普通に「なんだかおもしろそうだ」と感じるもの、気になるものは多々ある。

以前所持していたが、よんどころのない理由により(あるいは間違ってとか油断してとか)、手放してしまった本があったとする。そういう本の中には「ああ、もう一度みたいなあ」とか「手放すんじゃなかった」という思いにかられるものがあり、「また入手したい」という欲求が生れてくる。
この場合は、古本屋の棚を見ていて突発的に欲しくなるのと違い、頭の片隅または帳面に探求書としてしっかと書き込まれている。その人の想いに関わることなので、優先順位が高くなることが多い。しかし古本市場の流行とは無関係なため、入手困難で何年も入手できないといったことが多い。
数十年前、まだ子どもの頃に読んでいたものが見たいという場合もある。懐かし系の欲求である。
私の場合でいうと、週刊少年ジャンプの「クライム・スイーパー(ピンク・パンチ雅)」や「マジンガーZ」、少女漫画雑誌の楳図かずおなどである。有名作品や有名作家の雑誌掲載ものを後になって探すこと自体はさして困難ではない。その手のものならばたいがい単行本になっていて多数出版されているので、市場にも出回っているし(ただし、流行とかち合うとプレミアがついてしまうのだが)、新刊でも復刻されているケースが多いからである。

問題は無名作品である。単行本になっていても市場にはなかなか出てこないし(流行すればたくさん出てくるのだが)、単行本になっていない場合もある。単行本化されていない作品、あるいは単行本化されていても完全版がない作品などは、掲載雑誌そのものを探すという行為が必要になってくる。
